こんにちは、久家です。
昨年末からスタートした
ダイエットプログラム
僕はこのプログラムの中で、どんな人にも当てはまる基本的な食の戦略をお伝えしていますが、人生100年時代の健康を考えた時、この戦略と共に重要になってくるのが糖質の捉え方です。
糖質制限と聞くとダイエット法のイメージが強いですが、糖質制限の本当の意味を理解すると自分のライフスタイルに合わせた食生活ができるようになります。
そのために今回はまず、人間が持つ2つのエネルギーシステムについてお伝えします。
それでは始めて参りましょう!
人間が持つ2つのエネルギーシステム
人間がエネルギーを産むシステムは
・解糖系
・ミトコンドリア系
の2種類があります。この2つのエネルギーシステムを理解すると、自分のライフスタイルに合った食の戦略が立てやすくなります。
2つのエネルギーシステムは簡単に言うと…
解糖系:
瞬発的に大きな力を出せるが、長く続かない
ミトコンドリア系:
長くゆっくり力を出せるが、瞬発力はない
といった感じです。
ウエイトトレーニングや短距離走のような瞬発的に力を出す運動を無酸素運動って言いますよね。あれは「息をしていない」という意味で無酸素って言っているわけではなく、「エネルギーを取り出すのに酸素を必要としない」という意味です。
こういった運動の際に使われるエネルギーシステムが解糖系です。解糖系はその名の通り、ブドウ糖をエネルギー源にして酸素を使わずにエネルギーを生み出します。
一方、ウォーキング、ジョギング、エアロビクスなど、瞬発的な大きな力を必要とせず長く力を出し続ける運動を有酸素運動と言います。この有酸素運動の際に使われるエネルギーシステムがミトコンドリア系です。
ミトコンドリア系はあらゆるものをエネルギー源にでき、酸素を利用してエネルギーを生み出します。
解糖系とミトコンドリア系、この2つを使って人間はエネルギーを生み出し生活しているのです。ここをしっかり理解した上で…
自分がどちらの系を優勢にするかを選択し食を考えていくことが重要です。
仕事、スポーツ、趣味…自分のライフスタイルを考えて、どちらのエネルギーシステムがあっているのかぜひ考えてみてください。
1つ例を出すと…
マラソンのような持久系の運動は、解糖系ではなくミトコンドリア系でエネルギーを生んでいます。だから「持久系の運動能力を高めたい」という人は、ミトコンドリアの数を増やし、活性化させて…ミトコンドリア系のエネルギー効率を上げていくことが何よりも大事になります。
このことを踏まえた上で、「じゃあ、どんな栄養戦略を立てようか?」となっていくわけです。
同様に考えると、筋トレで体を大きくしたい人はどうでしょうか?1日デスクワークで座りっぱなしの人は?ぜひ考えてみてください。
糖質制限はダイエット法ではない!
糖質制限を世間で言われているような単なるダイエットと捉えると、ただのブームで終わってしまいます。人間がエネルギーを産むシステムは【解糖系】と【ミトコンドリア系】の2種類があることをお伝えしましたが、糖質制限というのは…
「解糖系ではなく、ミトコンドリア系を中心として生きていく」というライフスタイルの選択
を意味していると僕は思っています。
どちらでも人間は生きていけます。若いうちは両方元気なので、どっちもフルに使えばいいんです。解糖系を思いっきり優位にして、ガンガン働いて、思う存分スポーツをやって、といった感じでいいと思います。
だけど年をとってくると…そういったことが自然とできなくなってきますよね。年をとってくると(酸化が進んでくると)、瞬発的に大きな力を出す解糖系だとしんどくなってくるんです。解糖系を捨てる必要はありませんが、両者のバランスを考えていかないといけません。
解糖系は細胞分裂をする時のとても重要なエネルギー源になっています。
例えば、ガン細胞はミトコンドリアがほとんどないのでエネルギー源は解糖系だけです。だからガン細胞はブドウ糖をガンガン摂るんです。そして低酸素の環境を好みます。
このことを踏まえると…
年をとっても糖質メインの食事を摂って解糖系に依存していたらどうでしょうか?体の中がガン細胞にとって好ましい環境になってしまうとも考えられますよね。
「解糖系依存の体質から脱却できないこと」
僕はこれが歳をとってガンが増える理由の1つじゃないかと思っています。
また運動やスポーツによっても両者のバランスは変わってきます。
ウエイトトレーニングで体を大きくするのであれば…筋肉を大きくするというのは細胞分裂ですから、解糖系を優位にする必要があります。
一方、マラソンをする人であれば、持久的にエネルギーを出せるミトコンドリア系を優位にする方がパフォーマンスは上がります。
このようにライフスタイルによって両者のバランスを考える必要があるわけですが、よっぽど特殊な目的がないかぎり、年をとっていくにつれて体を大きくしたり、瞬発的に大きな力を出す必要はなくなっていきますよね。
そして両者はエネルギー源が違います。解糖系は文字通り「糖質」です。一方、ミトコンドリア系はほぼ全てをエネルギー源にできます。酸素、糖質、タンパク質、脂質…なんでもエネルギーにできる。
解糖系の何倍もエネルギー効率がいいわけです。
以上のようなことを踏まえると、これからの人生100年時代の健康を考えた場合、
年齢とともに少しずつ、ミトコンドリア系にシフトしていくのが良い
と僕は思います。
糖質依存から脱却する!
昔からテレビの健康番組とかで「健康長寿のおじいちゃん、おばあちゃんはしっかり肉を食べている」というのを見たことありませんか?
そういう番組では「健康長寿には肉を食べるのがいい」という感じのことを伝えていますが、肉がいいというよりも糖質依存のバランスの問題だと思います。
糖質を摂っていないわけでもなく肉ばかり食べているわけでもありません。
健康長寿のおじいちゃん、おばあちゃんは糖質依存の食生活ではないのです。
解糖系ではなく、ミトコンドリア系になれば細胞分裂は止まっていくので当然体は痩せていきます。糖質制限をすると痩せるのはこれも一つの理由なんです。
ミトコンドリア系でエネルギーを生んでいると体は大きくなりません。大きくなれないといった方がいいかもしれませんね。筋肉もつかないけど、脂肪もつかないんです。
「効率の良い体になっていく」
ということです。
これが糖質制限の本来の意味だと思います。
いかがでしたか?
世間では糖質制限といえばダイエット法のイメージが強いです。極端に糖質を減らしてとにかく痩せさせようとする…。確かに体重は減ると思いますが、どう見ても…「無理やり栄養失調にさせて痩せさせている」ようにしか見えません。。あれでは健康になることはないでしょう。
糖質制限とは
「糖質依存の生活から脱却してミトコンドリアが生み出すエネルギーで生きていきます!」
という宣言のようなもの。
今回お伝えしたような文脈で捉えることができたら、糖質制限は単なるダイエットではなく、食文化としてすごく意味のあるものになるのではないでしょうか。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
久家