睡眠不足と肥満

こんにちは、久家です。

現在「ダイエットプログラム」にご参加いただいている方には、プログラムの中でお伝えさせて頂いていますが、「ついつい食べてしまう」「なかなか体重が減らない」「太りやすい」と言っている人たちに共通していること、それは…睡眠不足です。

こういう話をすると、「いやいや、私は6時間は寝てますよ」という人もいらっしゃいますが、6時間睡眠って睡眠時間としては足りていません。

睡眠時間についてはまた別の機会に詳しくお伝えすることにして。。

今回は「睡眠不足と肥満」について。

睡眠時間を増やすだけでも、ダイエットにはとても大きな効果があることをぜひ知っていただきたいと思います。

それでは始めてまいりましょう!

目次

睡眠不足で摂取カロリーが増える?

「睡眠時間が少ないほど食欲は増す」

これは医学的に解明されている事実です。食欲増加の原因になるのは食欲をコントロールする2つのホルモン

・レプチン

・グレリン

レプチンは「満腹だ」という信号を出すホルモン。血中のレプチンが増えると、満腹を感じて何も食べたくなくなります。

それに対してグレリンは、強い空腹感の引き金になります。血中のグレリンが増えると、食欲が増加します。

レプチンが減りすぎるか、グレリンが増えすぎると、食べる量が増えて体重も増加するわけです。

このダブルパンチを実際に起こすのが睡眠不足です。

睡眠が足りないと、満腹感を知らせるホルモンであるレプチンの分泌が減り、食欲を刺激するグレリンの分泌が増えることが分かっています。

「食べるのをやめろ」と伝えるレプチンを黙らせるだけでなく、「もっと食べろ」と伝えるグレリンのボリュームも上げることで、睡眠不足の脳はどんなに食べても満足できなくなってしまうわけです。

代謝の観点から説明すれば、睡眠不足の人は空腹感をコントロールできないということ。

ある実験では、睡眠時間を5時間に制限するとホルモンと食欲のバランスが完全に崩れてしまうことが証明されています。

この5時間という睡眠時間、少ないと感じる人も、普通と感じる人もいると思いますが、現代社会、特に日本では十分と考えられているようです。現代人はそもそも食べ過ぎと言われます。食べる物が欧米化してきていることも問題ですが、睡眠不足も現代人が食べ過ぎてしまう一つの要因になっているのは間違いないと僕は思っています。

とは言え、食べたいと思うのと実際に食べるのは別の話。人は睡眠不足の時に実際に食べる量も増えるのでしょうか?

ここで一つ睡眠不足が肥満につながることを証明した実験を紹介します。

被験者は2つの条件を与えられます。

・8時間半睡眠を5日間続ける

・次に4時間半睡眠を5日間続ける

実験中は活動量も厳格に管理され、食事については好きなだけ食べて構わない。食事の内容は記録されカロリーが計算される、というもの。

結果は…

8時間半眠った期間に比べ、4時間半眠った期間の方が5日間合計で1000キロカロリー以上摂取カロリーが増加した

5時間から6時間睡眠でも8時間半睡眠と比べると同様の結果に。現代人の多くは、仕事がある日はこれぐらいの睡眠時間だと思います。1年のうち週末や休暇を除いて仕事がある日だけを合計しても、単純計算して7万キロカロリー多く食べることになります。

摂取カロリーがそれだけ増えると、だいたい4.5〜6.8キロの増量になります。

そのままの生活を続けていれば、1年にそれぐらいのペースで体重が増えていくということです。

現代社会で睡眠時間を確保するのはそんなに簡単ではないのはわかりますが、今より睡眠時間を1〜2時間増やすだけでも、1年で5キロ前後体重が減ると考えれば、取り組む価値は十分にあるのではないでしょうか?

睡眠が不足するとジャンクなものが食べたくなる?

睡眠不足で体重が増える理由は、食べる量が増えることだけではありません。食べる内容も睡眠不足の影響を受けるんです。睡眠不足の時には、

甘いもの(クッキー、チョコレート、アイスクリームなど)

炭水化物(パン、パスタなど)

スナック菓子

などの消費が増えるとのこと。一晩に数時間だけ睡眠が少なくなるだけで、それらの消費が30〜40%増加する事が分かっています。タンパク質、乳製品、脂肪などは、そこまで影響を受けませんが、それでも10〜15%程度の増加はあるとのことです。

このように

睡眠不足になると甘いものや炭水化物が欲しくなるのです。

これは睡眠不足により脳の活動がより原始的になり、睡眠不足の脳は高カロリーの食事を好む傾向があるためです。「間食がなかなか減らない」という方は食べないようにするのではなく、しっかり睡眠を取ればそもそも食べたい欲がなくなるかもしれませんよ。

ぜひお試しあれ。

睡眠不足だと脂肪が減らない?

最後にもう一つ、睡眠不足による悪影響を。

睡眠時間によって体重の減り方が全く違う

このことを知った上でダイエットは行なってください。

「減り方」というのは、何キロ減ったとかいうことではなく、脂肪が減るのか、筋肉が減るのか、ということ。

これはある研究で肥満の男女を対象に行われた実験結果ですが、参加者の半分は睡眠時間が1日5時間半、残りの半分は睡眠時間が1日8時間半で、同じ食事制限を行った場合、

5時間半睡眠のグループは落ちた体重の70%が筋肉だった。つまり脂肪ではなく、筋肉が減ってしまったということです。

一方8時間半睡眠のグループは落ちた体重の50%以上が脂肪だった。つまり脂肪を落として筋肉を残すという、理想的な減量ができたということです。 

睡眠不足の状態になると、体は脂肪を手放さなくなる

そのため筋肉から減っていき、脂肪が残るのです。睡眠不足の時はいくらダイエットに励んでも、残念ながらスリムで引き締まった体は手に入らないのです。

このことをしっかりと頭に入れて、ダイエットに取り組んでみてください。

睡眠不足が及ぼす悪影響

いかがでしたか?

今回は睡眠不足と肥満の関係についての話でした。

小難しい話や研究結果を交えてお伝えしましたが、結論は非常にシンプルです。

今回の内容をまとめると以下の通りです。

睡眠不足による影響〜

①食べても満腹感が得られない
②食べる量が増える
③高カロリーなものを求めるようになる
④ダイエットをしても脂肪が減らない。

さあ、ここまでくれば、もうお分かりですね。

今ダイエット中の方も、これからダイエットをしようという方も、まず何をやれば良いのか?

そう、やるべきなのは「寝ること」です。

睡眠時間が6時間以下の人は、ダイエット法をあれこれ探す前にまずは寝てくださいね。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

久家

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