こんにちは、久家です。
僕はこれまで、全ての患者さんに必ず言ってきた事があります。それは…
「整体と睡眠はセットで考えてください」
ということ。
ここでいう整体とは、施術だけではなく文字通り、体を整えるために行うもの全てです。ゴッドハンドの施術を受けても…、質の良い食事をしても…、ジムに通って運動しても…、睡眠が伴わなかったら全く意味がない。なぜなら睡眠は…
全てを最適化してくれるもの
だからです。
最近患者さんたちの話を聞いていると、やはり睡眠に問題がある人が非常に多く、さらにそこを改善せずに「整体で治そう」「体に良いものを摂ろう」「運動を始めよう」としている人がほとんどです。
そこで今回は睡眠についてお伝えします。日頃から僕が繰り返しお伝えしている事なので、ご来院中の方には目新しい情報はないかもしれませんが、大事なことなのでしっかりと読んでくださいね。
それでは始めていきましょう!
睡眠は「量より質」ではない!
睡眠を改善しようとする時、3つの側面を考える必要があります。それは…
・量
・質
・規則性
日本人の睡眠時間は世界一短いのはみなさんご存知かと思いますが、だからなのか…「睡眠は量より質だ!」みたいな事を主張している人たちが非常に多いです。僕も昔は寝る時間を確保できず、質を上げることばかり考えていました。今思えば、本気で確保する気がなかっただけなのですが(苦笑)
ここ数年は、質や規則性は量が担保された上で考えないと意味がないと考え方が変わって、まずは量を確保するようにしています。
昨年はメディアが「大谷選手の睡眠時間は1日10時間」といったことをとりあげて、「量が大事だ!」みたいなことが言われ始めました。さらに「今 最もノーベル賞に近い日本人」と言われている睡眠学者、筑波大学の柳沢正史 教授は、基本的に量は確保しないといけないと強く主張されています。
「忙しくて睡眠時間はこれ以上増やせない」
そんな方が多いようですが、本当に増やせませんか?僕も昔はそう思っていましたが、睡眠がいかに大事かを理解すると、自分にとっての睡眠の優先順位が上がり意外と増やせるものです。
健康になりたければ、まずは睡眠時間を確保することから始めましょう!
ショートスリーパーは睡眠不足に慣れているだけ?
必要な睡眠時間は「大人だと7時間前後」と言われていますが、6時間くらいで済む人もいれば、8時間くらい必要な人まで個人差はあります。ただ、6時間以下で済む人というのはものすごく稀です。
ショートスリーパーと言われる人たちがいます。
柳沢先生曰く、ショートスリーパーの中でも本当のショートスリーパーは、数百人に一人かそれ以下のレベルでしか存在しないそうです。ショートスリーパーに関しては、ちゃんとした論文などは出ていないようで、そもそも研究対象となるショートスリーパーを集めることすらできないとのこと。
要するに自称ショートスリーパーがほとんどで、この人たちは
睡眠不足の状態に慣れているだけ
「昼間に眠い…」「テンションが下がってしまう」といった自覚症状がある人はちゃんと寝ようとしますが、この自覚症状がない人が「自分はショートスリーパーだ」って言っている場合がほとんどだそうです。
こういった人でももう少し寝ると、パフォーマンスが上がり、テンションも上がり、体調も良くなり、という事が分かっていて、つまり
自称ショートスリーパーは99%以上が睡眠不足という事です。
睡眠時間が少なくて良い人なんてほとんどいない、ということを知っておきましょう!
睡眠不足で日本人の脳は毎日徹夜明けの状態!?
「寝溜め」って言葉がありますが、言葉からイメージするものと実際は全く違っています。寝溜めしておけば、「睡眠時間が少なくても大丈夫」というわけではなく、寝溜めとはあくまで負債を返している状態。人間って普段十分に寝ていたら目が覚めてしまうんですね。
必要以上には眠れないようにできている
だから…
貯金はできないんです。
休みの日にたくさん寝れたとしたらそれは、「普段睡眠時間が足りていない」という証拠です。
慢性的な睡眠不足を「睡眠負債」と言いますが、睡眠負債が貯まるとあらゆる事がネガティブに働くという事が分かっています。
睡眠負債が生じ始めると、すぐに次の日から「脳のパフォーマンスが低下する」ということが知られています。
1日4時間の睡眠を4〜5日続けるだけで、徹夜明けと同じ脳のパフォーマンスになる。
1日6時間の睡眠だと10〜11日続くと同じようになる。
という研究結果もあるそうです。
ということは…
日本人のほとんどが、毎日徹夜明けと同じ脳のパフォーマンスで仕事や育児、学校での勉強をしているわけです。
これって非常に勿体無いですよね。世の中、効率を求めてやれ「コスパ」だ、やれ「タイパ」だと言っていますが、これらを上げたいのならば、まずは「しっかり寝ろ!」ということです。
パフォーマンスの低下はどんどん蓄積していくものですが、睡眠不足による主観的な眠気などの症状は慣れてしまうものなので、長く続くと自覚できなくなります。
となると、自分の睡眠不足に気づかずに脳のパフォーマンスはどんどん低下していく…そして、ずっと自分のパフォーマンスを発揮できないでいる…
これって結構怖いことだと思いませんか?
睡眠不足はあらゆるものに悪影響を与える
睡眠不足になると、利他的な行為ができなくなるということも分かっています。感情のコントロールができなくなるので、パワハラ的なものも起きやすくなるでしょう。もしあなたがご家庭で、子供や旦那さん、奥さんに対してイライラしているのなら…、それは睡眠不足が原因かもしれませんね。イライラが爆発する前に、まずはしっかり睡眠時間をとりましょう!
さらに、慢性的に睡眠が悪い状態や足りていない状態が続くと…
・鬱病に代表されるメンタルの不調
・メタボリックシンドローム
・ガン
・認知症
・感染症
などなど、あらゆる疾患のリスクが上がる非常に強いエビデンスがあります。これほどあらゆるものに明らかに悪い影響を与えるものって…、他にはないですよね。
「ジャンクフードが体に悪い」と認識している人は多いですが、睡眠を30分、1時間削ることがこれほどまずいことだと認識している人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
いかがでしたか?
今回は、睡眠不足がもたらす悪影響についてあれこれと書いてきたので、非常にネガティブな内容になってしまいましたが、健康を考える上ではとても重要な事です。
僕ら現代人は何かと「時間がない」「時間が足りない」と毎日忙しく過ごしていて、時間を作るためにやることと言えば、ほとんどの人が「睡眠時間を削ること」です。
それがいかに危険なことか…、効率の悪いことか…、人生の質を下げているか…
分かって頂けたでしょうか?
今回の内容を読んであなたの中の睡眠の優先順位が少しでも上がってくれたら幸いです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
久家