健康は生活習慣で達成される!

こんにちは、久家です。
 
僕はご来院くださる患者さんたちに直接お話ししたり、こうやって記事を書いたりして、健康に関する情報を睡眠、運動、食事の観点から色々とお伝えしているのですが、いくら健康になりたいと思っていても正直なところ…

「そんなにいつもいつも健康のばかり考えてられないよ」

という方もいらっしゃると思います。
 
確かにその通りなんです。

忙しい日々の中で、毎食毎食ボディビルダーのように食事管理をしたり…毎晩睡眠の質を気にして過ごしたり…なかなかあれもこれも頑張れないですよね。
 
そうなんです。頑張れないんです。だから健康というものは頑張って作るものではないんです。

そこで今回は、頑張らずに健康を達成する方法についてお伝えします。

目次

「薬」的な発想では健康になれない

僕は患者さんたちに食事のアドバイスをする時は、どの食材を摂ったらいいとか、どの栄養素を摂ったらいいとかそういったテレビの健康番組、YouTubeやSNSなどで言われていることはあまりお伝えしていません。

僕がお伝えしているのは…

「食の戦略」

体のミクロ的な健全性を作っていくものですが、これが全てのベースになります。
 
自分の体の中のミクロな反応は見えないけど常に起こっていて、今この瞬間もいろんな反応が起こっているから僕らは生きていられるわけです。
 
この戦略に基づいて食品やサプリを摂取し始めると少しずつ全体の健全性が保たれてきます。
 
「急に何かが良くなる」そういったことはありません。
 
どんなサプリを飲んだって急に痩せることはないですし、ガンが治ることはありません。食事やサプリによる戦略を「特定の不調を早急に治すためのもの」と捉えないでほしい。
 
「効いた!」みたいな派手な実感を期待したらダメです。それは薬がやること。体を作り直すというよりは、そこに外部から刺激を与えて強制的に何か別の状態にするのが薬であって、こういったことがない限りは「効いたぞ!」みたいな実感はないはずです。
 
僕がお伝えしている食の戦略は

1. 腸内環境の適正化
2. 脂質摂取の最適化
3. 抗酸化と解毒

この3つをこの順番で行なっていくものですが、腸内細菌がどうとか、脂質がどうとか、抗酸化物質を摂ったからどうとか、そういったいったことはそんなに急に実感できるような話ではありません。
 
徐々に徐々に体が作り替えられていく中で、気づいたら「あれっ?そういえばこの時期に風邪ひかないな」みたいになっている訳です。

なぜ徐々にしか変わらないかというと…

人間の体って、新陳代謝を行ないながら長い年月をかけて作り替えていくものだからです。
 
僕がお伝えしている戦略っていうのは、今悪い所を直接攻撃するみたいな薬の発想ではなくて、

「次に作られるものを良くする」

という発想の戦略です。
 
例えば、脳だったら細胞が入れ替わるのに約7年かかると言われています。つまり本当に変えようと思ったら7年かかるということです。人間の約95%は1年以内に変わります。だから1年続けたらほぼ間違いなくいろんな体感があるはずです。
 
75%は1ヶ月くらいで変わります。75%変われば体感としても結構変わってくるはずなので取り組み始めたことは最低1ヶ月は続けてほしいですね。
 
1ヶ月後の75%を健全にするための戦略

というふうに理解してください。
 
これは食に限ったことではなく、睡眠でも運動でも同じこと。生活習慣 (睡眠、運動、食事)を整えるとは、「肩が痛いんです」「腰痛がひどいんです」「頭痛が取れないんです」みたいなものを一時的に何とかするための戦略ではありません。そういった目先のことではなくて「ベースを整える」ものなのです。

生活習慣を整えて、好調を当たり前に

僕が患者さんたちに常々お伝えしている理想の状態は…

「調子が良い」ではなく、「何も感じない」

好調も不調も感じないというのが理想の状態だと考えています。言い換えれば…好調な状態が当たり前に続いているという状態のことです。
 
何も感じないというのは不調がないということなのでとてもいいことなんです。「不調に気づいていない」というのは怖いですが…。
 
体に意識を向けるのにもエネルギーを使います。あれやこれや心配するのもエネルギーを使うし…、「あれは食べていいのか、これは食べたらダメなのか」とか考えるのもエネルギー使うし…、それがストレスになってさらにエネルギーを使うし…
 
なので僕がお伝えしている戦略は、

体になるべく意識を向けないで安心して生きていくことを目指した戦略

とも言えます。
 
今ものすごい悪い所があって、ものすごい早く決着をつけたかったら、病院に行くしかないです。それはもうしょうがない…。

時間をかけられるのであれば戦略に沿って生活習慣を整えていけば徐々に改善していきます。そして、ただ改善するだけではなく、次に作られるものがどんどん良くなって…好調な状態が当たり前に続き…「何も感じない状態」が作られていくのです。

習慣にして意志力を節約する!

例えば、こんな風に思っている人もいるかも知れませんね。
 
「そんなに毎日食事の事ばかり考えられないよ」

確かにそうだと思います。
 
僕自身も毎日毎日、今日は腸内細菌を1000億個摂って…、オメガ3と飽和脂肪酸をこれくらい摂って…、抗酸化のこのサプリを摂って…みたいなことを考えているわけではありません。最初は戦略的にスタートしましたが、今はそれらを全て無意識に行なっています。

毎朝歯を磨くのと同じ「習慣」です。
 
古代ギリシアの哲学者アリストテレスは「人間は習慣の総体だ」と言いました。普段何気なくやっていることが日常のほとんどを占めている。人間が1日の中で何か意識的にやっていることは数えるくらいしかなく、実際にやっていることのほとんどは習慣としてやっているだけ、ということです。
 
だから習慣の質を高めていくことができれば人間を高めていくことができるわけです。
 
習慣になっていないものを意識的にがんばり続けることって難しいですよね。つまりがんばらないといけないことって続かないわけです。
 
頑張らない領域をいかに増やしていくかということが、人生を豊かにしていく秘訣であってそのために必要なのが「習慣」です。
 
「習慣は意志力の節約のために必要」
 
人間の意志力は貯金みたいなもので有限だと言われています。つまり、使えば使うほどなくなる。これはテーマとかジャンルとかは関係なく、

1日の中で使える意志力が決まっている

ということです。
 
例えば、今日はしっかりジョギングするぞ!と決めていたとします。この日の最優先事項はこれで、ここで意志力を50くらい使うとします。手持ちの意志力は100だとしましょう。この日の朝、

「早起きするぞ!」→意志力10使う


「いつも食べないけど朝ごはんはしっかり食べておこう!」→意志力10使う

「友達からのLINEに返信しないと」→意志力10使う

こんな感じで意志力を使い続けてジョギングする前に意志力を60使ってしまったら、走る気がなくなってしまうんです。ジョギングをするには意志力が50必要なので。
 
このように1日の中で使える意志力は決まっていて、それを使えば使うほど人間は疲弊していって、ゼロになった時には何に対してもやる気が出ない状態に…、ただただYouTubeを見ているみたいになってしまうのです。
 
意志力をなるべく使わないというのが大切なわけです。

健康は習慣で達成される!

しかし世の中には絶対に意志力を使う場面があります。それは…

「判断、決断をする場面」
 
判断、決断は絶対に意志力が必要なんです。その時のために意志力は持っておかないといけない。
 
正しい判断、決断ができるかどうかは、意志力の残量によります。意志力がカツカツの中で行なった判断っていうのはだいたいミスが起こっている…。

一方意志力がた〜っぷりある中で余裕を持ってした判断っていうのは、いろんなことを視野に入れていろんなことを踏まえて、考えて、乗り越えられるから、だいたい良いことが起こるんです。
 
判断を間違うことが多い人は意志力が足りていない…。これはキャパが小さいのではなく日頃から意志力を無駄使いしていると言えます。
 
「いかに意志力を使わないで生きていくか」そのために必要なのが習慣です。
 
仕事、育児、スポーツ…そういったものは大事な判断、決断をしなければいけない場面が必ずありますよね。その大事な時のために意志力はとっておかないといけない。
 
大事な意志力を健康のために使うのはもったいないんです。なぜなら健康は、質の良い睡眠、運動、食事…すなわち「習慣」で達成できるものだからです。
 
食に関して言えば、「これは体に悪いんじゃないか」「これを食べたら太るんじゃないか」
みたいなことにいつまでも意志力を使っていてはダメなんです。
 
戦略を立ててそれを繰り返し実行して、質の高い食生活を獲得する。これをどれだけ毎朝歯を磨くのと同じレベルで習慣にできるかがポイントです。
 
繰り返しになりますが健康は習慣で達成されるものです。だから、

あなたの限りある貴重な意志力は、健康にではなくもっと大事なものに使うべきです。
 
そのために1日でも早く健康を当たり前にしてしまいましょう!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

久家

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